衆院が少数与党という異例の状況だった通常国会。しかし、野党の足並みはそろわず、懸案の選択的夫婦別姓も実現しませんでした。なぜ野党はまとまれないのか。来たる参院選に向けてとるべき戦略は。政治学者の谷口尚子さんに聞きました。
――衆院が少数与党となった今国会をどう見ましたか。「自民1強」時代から変化したのでしょうか。
「1党のみで政権を維持していた時代に比べれば、近年の自民党には『1強』というほどの強さはなくなっています。バブル崩壊以降、地域に分配できる『パイ』が減ってしまった。後援会なども高齢化し、支持基盤は弱まっています」
「1994年の自社さ連立による政権復帰以降、自民は連立で政権を維持してきました。民主党政権時を除く2000年代以降は公明党との連立で支えられています。少数与党の今国会でも、高校無償化では日本維新の会、年金法案では立憲民主党など、政策ごとに連携できる野党と組んだ。つまり現在は、絶対的な強さがない中で、他党と協力して政権を運営している状態です」
――衆院で150近い議席を持つ立憲は、存在感を示せたのでしょうか。
立憲民主が抱えるジレンマ
「政権交代を主導したい立憲…