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天安門事件から35年の追悼集会には、身元が特定されることを防ぐためか、仮面をかぶって参加する人も多かった=2024年6月1日、JR新宿駅前、吉田耕一郎撮影
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 せわしなく人や車が行き交う首都が日暮れを迎え、街灯の中に浮かび上がる広場。建国の父・毛沢東の巨大な肖像画が、そんな人々の営みを見つめる。

 今は東京に暮らす浦効禹さん(30)は子どもの頃、毎年6月3日の夜に、父母に連れられて北京の天安門広場を訪れた。

 遊具もなくて、つまらない。幼かった自分にとっては、そんな印象しかなかった。それでも、父は嫌がる息子の手を引いて、広場に通い続けた。父と一緒に外に出かけた、数少ない記憶だ。

【連載】灯火(ともしび)はいま 天安門事件35年

天安門事件から35年。中国、香港では事件がタブーとなる中、日本で追悼集会に集う中国出身の若者たちがいます。彼らはどう事件と出会い、なぜ弔うのか。世代を超えて事件と向き合い、葛藤する姿を追います。

 そんな家族の「恒例行事」が、小学生のある年から消えた。後になって、公安(警察)関係者が、浦さん一家が広場に行くことを止めていたと知った。

 父は公安当局の「要注意人物」だった。

日本で開かれる天安門事件の追悼イベントに集う中国の若者たち。ただ、事件とどのように向き合っていくのか、思いはさまざまです

周囲とのズレ感じる日々

 中国の人権派弁護士として国…

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