三浦まり・上智大学教授
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 2024年は、世界各国・地域の重要な選挙が集中する「選挙イヤー」です。選挙を通じた女性リーダーの誕生も注目を集めています。女性の政治参画は今、どのような状況にあるのか。12日発表された世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ報告書」も踏まえながら、上智大学の三浦まり教授(政治学)に聞きました。

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 ――今月、メキシコやアイスランドで女性が選挙で大統領に選ばれ、注目されました。

 女性のリーダーが誕生することは喜ばしいことですが、単に女性が国家の首脳や元首になればいいわけではなく、その「生まれ方」が重要です。

 ――どういうことでしょうか。

 メキシコもアイスランドも、ジェンダー平等を推進する政策を積み重ねた先にリーダーが誕生しており、望ましい形と言えます。

 メキシコは国会議員の5割が女性です。国会議員の候補者を男女同数にすることを、政党に厳しく義務づけています。アイスランドは今年で15回連続、ジェンダーギャップ指数の順位で1位となりました。歴史的に女性が参政権を得たのが早く、1980年には民主的に選出された世界初の女性国家元首であるビグディス・フィンボガドッティル大統領が誕生しました。2008年のリーマン・ショック後には、企業役員の男女比率をそれぞれ40%以上に定めるなどの改革を進めてきました。

ロールモデルにならないケースも

 ――女性指導者の誕生は、ジェンダー平等が進んでいることを示しているのでしょうか。

 必ずしもそうとは言えません…

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