「訓練始め!」
5月7日夜、ボリビア国籍のトラック運転手クエト・ルイスさん(37)の声が響き、制服姿の消防団員が消防用ホースの準備にとりかかった。
愛知県西尾市の一色消防団東部分団が実施する週1回の訓練。夜間の火災を想定し、団員が声をかけあい、火の的をめがけて放水した。
「訓練にも積極的で、とても頼りになる人材」。分団長を務める会社員の鈴木一也さん(48)はクエトさんに太鼓判を押す。熱心さを買い、4月から訓練の立案を任せた。
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「消防団に外国人もいることが望ましい」
クエトさんは県内の建築会社で働いていた両親に合流する形で9歳で来日。中学校を卒業後、大手ハンバーガーチェーン店の店長も務め、自動車部品大手の工場で働いた際に出会った安奈さん(34)と結婚。安奈さんの実家を建て替え、2人の息子を育てている。
消防団に興味を持ったのは回…