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こどもの成長と健康 どう守る?

様々なジャンルの「プロ書き手」によるニュースレターが配信される外部媒体「theLetter」で2024年11月23日に配信された記事です。

 今回はQ&Aコーナーで頂いたご質問にお返事するコーナーです。

 では順次検証していきましょう。

インフルエンザの予防接種をした方がインフルエンザになると言うジンクスを言われたことがあります。実際は予防接種をした方が罹らないと思うのですが、どうなのでしょうか?娘(1歳)に初めてインフルエンザ予防接種をしたら親戚に怒られて理不尽に感じました。

 これは外来でもたまに聞かれる質問ですね。

 気になる方も多いと思いますし、今回はこちらを検証していこうと思います。

 インフルエンザワクチンは最近の2つの研究でもその有効性について強力な証拠を残しています。

 2022~2023年のインフルエンザ流行中に米国で実施された研究では、子どもにおけるインフルエンザAに対するワクチンの顕著な有効性が実証されました(#1)。

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 インフルエンザによる救急外来や緊急治療の受診が48%減少し、入院は40%減少しました。年齢別に見ると、6ケ月から4歳では53%減少させ、9-17歳では38%減少させることがわかっています。この結果を見ると、子どもの年齢が低い方がその効果は大きいことがわかります。

 いずれにせよ、ワクチン接種をすることで発症をほぼ半分に減少させている事実は、やはり子どものインフルエンザ感染症を予防する上で重要なツールであると言えるでしょう。

 また、別の長期期間を対象とした研究でもその有効性を証明できています(#2)。

 2011年から2020年ま…

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