証拠はあった~「虐待」保育士の無罪~(後編)
保育士の男性が2023年、元同僚2人の証言をきっかけに園児への虐待容疑で逮捕・起訴された。2人は事件に関してLINEでやり取りしていたが、検察は履歴のデータは「証拠として集めていない」としていた。
開示された証拠 書かれていた内容は
ところが、公判で突然、このLINEデータの存在が明らかになる。久保有希子弁護士らはあらためてデータの証拠開示を求めたが、検察は「事件とは関係ない」とかたくなに拒んだ。
最終的には、裁判官も促し、ようやく開示された。
データからわかったのは、逮捕の根拠とされた元同僚の証言の真相だった。
元同僚の1人が手帳に「(園児が)また泣かされていた」と記載。さらに事情聴取で、泣かされた理由は男性による虐待で、時期は20年4月だと証言していた。
しかし、開示されたデータによると、この元同僚は聴取の前日、「泣かされた」時期について、もう1人の元同僚とLINEでこんなやりとりをしていた。
- 【前編】「園児への虐待」疑われ、逮捕された保育士 同僚の目撃証言は本当か
「4月の件にしよう」
元同僚A《これは4月じゃな…