山を登る途中で倒れた木に腰掛けて休憩する川村青一くん(右)=8月26日、長野県伊那市、植松佳香撮影

 街を見下ろせる山の上は、夏でも風が通り抜けて心地よい。8月下旬、長野県伊那市の認定こども園「山の遊び舎はらぺこ」では、軟らかい土の上に丸太を並べ、車座になってこの日が誕生日という女の子のお祝いをしていた。

 「今日みんなでやりたいことは?」と保育士から聞かれた女の子は「粘土」と一言。「よし、粘土遊びをするよ! 靴下も脱いで!」。女の子の希望で遊びが決まると、準備していた保育者のかけ声と共に外にいた子どもたちが勢いよく園舎へ駆け出した。

 園の粘土遊びは机の上ではなく床で行う。合計30キロほどの粘土は陶芸用のものだ。裸足になると、自分の顔くらいの粘土のかたまりをもらい、年少から年長まで約30人が床に敷いたシートの上で思い思いに遊び始めた。

森のようちえんへようこそ

 自然とふれあい、自然の中で過ごす時間を大切にしながら幼少期の子どもたちを育む。そんな「森のようちえん」と呼ばれる子育て・教育スタイルが広がっています。子どもたちはどのように育っていくのか。実態を取材した5回連載の2回目です。

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