石破茂首相が新人議員に商品券を配っていた問題は、岸田文雄前首相や安倍晋三元首相にも波及し、自民党の問題に発展しました。政治学者の御厨貴・東大名誉教授は「カネが人間関係に介在するのが当たり前になっていた」と指摘します。
- クリーンなはずが? 商品券を介した仲間作りに手を染めた石破首相
――一連の問題をどう見ていますか。
あまりに慣例化されていて、石破首相の頭の中で、商品券を配ることが自民党派閥の裏金問題と同じように「政治とカネ」のカテゴリーに入るとは、全く思っていなかったのでしょう。
岸田氏らを含め、首相公邸で会合を開けば商品券を渡す、ということが当たり前になっていたんだと思います。「文化」として定着し、問題視する目すらなかったということです。
有力政治家が関係者に物品を配る贈答文化は昔からありました。派閥の裏金問題が起きたタイミングでなければ、商品券問題もここまで注目されなかったかもしれません。
今回、石破首相自らが臭いものにしていたフタを、気がつかないうちに開けてしまったということなんでしょう。
――自民党は歴史的に金銭などの配布を続けてきたのでしょうか。
永田町の贈答文化は、池田勇…