実母は子を手放した理由をこう書き残していた。
「赤ちゃんが幸せになってほしいから」。
フランスでは子どもを育てることを望まなくても、病院で安全に出産できる匿名出産が法律で認められている。
モリーン・ブランシャールさん(32)もその制度のもとで生まれ、生後3カ月の時に養親に迎えられた。
24歳の時、養子縁組をした団体に問い合わせて、出自について記された資料の開示を受けた。
望まぬ妊娠に悩み、女性が誰にも相談できず孤立して出産するケースが絶えない。匿名出産など女性と子の命や権利を守るフランスの取り組みとは。日本で独自に母子を支援する慈恵病院の視察に同行しました。
パリ市内で取材に応じたブラ…