米国が核兵器の抑止力で同盟国を守る「核の傘」への信頼の低下は、欧州だけでなく東アジアでも問題となっている。
日米両政府は6月5~6日、米ルイジアナ州のバークスデール空軍基地で、外務・防衛当局の実務者が「核の傘」などの運用を話し合う「日米拡大抑止協議」(EDD)を開いた。これまで年に1~2回開催され、第2次トランプ政権下では初の開催となった。
日本政府は協議後、ウェブサイトで写真と開催日時、場所のみを公開。バイデン政権下で行われた同協議に比べると、公開される情報量が激減した。トランプ政権との発表の詳細をめぐる調整ができなかった模様だが、日本では臆測も呼んだ。
トランプ米大統領が対日防衛義務に不満を示す中、日本国内でも米国の姿勢を不安視する声が出始めている。オバマ政権で国務次官補代理や駐日首席公使を務めたジェームス・ズムワルト氏は、「日本では米国から『見捨てられる恐怖』が大きくなっているようだ」と指摘する。
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元米政府高官が語る日本の不安
ただ、日本側の「不安」は今…