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北方領土問題を考えるイベント向けにモルックを作製した清野響葵さん=2025年1月9日午後3時54分、北海道中標津町、古畑航希撮影
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 「なんだか非日常的な話題だな」

 北海道・中標津支援学校高等部木工科の清野響葵(ひびき)さん(3年)は、学科長の齊藤一教諭から、北方領土が不法占拠された歴史や島の現状を聞いた時、そう感じた。

 高校生が北方領土問題を考えるイベントで使う「モルック」を作って欲しい。道から清野さんを含む同科2年(当時)の6人に、そんな依頼があったのは2カ月前。

 モルックは、20センチほどの木の棒(モルック)を投げて、点数の書かれた12本の棒を倒すフィンランド発祥の競技だ。イベントでは、議論する前のアイスブレークとして遊ぶという。

 齊藤教諭は、制作の依頼を受けたときは、顧客の意図を知ることが大事だと伝えている。モルックに「北方領土」と刻む意味について、生徒にきちんと理解して欲しいと考え、択捉島と色丹島を計3回訪れた経験を話した。教育関係者の交流事業で、全国から集まる生徒を引率した。

 子どもたちは最初は遠足気分…

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