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大阪府立北野高校の浅田充彦校長=2024年12月18日、大阪市、稲垣大志郎撮影

 大阪府内の昨春の高校入試では、私立の専願が増え、公立の全日制など145校のうち70校が定員割れをした。府が進める授業料の完全無償化は、文理学科設置校10校にも影響を及ぼすのか。今の公立高校に不足しているものとは何か。府立北野高校の浅田充彦校長に聞いた。

 ――昨春の府内の公立高入試で、全日制など145校のうち70校で定員割れしました。定員割れの要因や背景は。

 かつて競争率が高かった学校でも定員割れをするところが出て、ショックでした。「無償化」という言葉が頻繁に取り上げられている影響は大きい。それによって府民のみなさんの意識もそちらに向く流れがあったと思います。結果として、無償化の影響が出ているのは間違いありません。公立の志願者は減り、私立専願の生徒が増えています。私立の方が試験日が早く、「早く進路を決めたい」という中学生の意識も年々強くなっている気がします。

 ――府立高は3年連続で定員割れすると、再編整備の対象になります。各校の校長先生は戦々恐々としているのではないですか。

 (中学生や保護者を対象にし…

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