浜松市役所の子育て支援課

 「なんで180時間しか残業してないの?」

 30年ほど前のこと。西日本の政令指定都市で財政局の職員だった当時30代の男性は、上司からそう詰められた。

 財政の仕事は、予算編成が大詰めを迎える年末から年明けにかけてが最も忙しい。同僚は皆、月200時間を超える残業が続いていた。

 男性は1月、体調を崩して早めに帰宅することがあった。同僚より残業時間が少ないことに上司が気付き、疑問に思ったらしい。

 女性がほとんどいない職場だった。男性は「時間的にも体力的にも精神的にもハードな仕事。女性には無理だろうというのが『常識』だった」と振り返る。

 男性も、激務の連続に心身が限界を迎えていた。ほどなく病気休職に。そのまま財政局を離れると、戻ることはなく、定年は出先機関で迎えた。

財政部門のトップ部局長に女性はゼロ

 朝日新聞が、全国の指定市の…

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