「あ、あそこに青い花がある」
遠くの草むらを見据えて、年中児の杉之尾英麗奈(えれな)ちゃん(5)は指さした。大人の目には緑の草しか見えなかったが、駆け寄るときれいなツユクサを摘み取ってきた。
ビル群に囲まれた湾岸エリアにある、東京都江東区の夢の島公園。ここで毎月1回、日曜日にNPO法人マザーツリー自然学校による「マザーツリー森のようちえん」が開催されている。日中の4時間ほどを保護者なしで過ごし、整備された都会の公園でも、子どもたちは自然のおもしろさを存分に味わっていた。
森のようちえんへようこそ
自然とふれあい、自然の中で過ごす時間を大切にしながら幼少期の子どもたちを育む。そんな「森のようちえん」と呼ばれる子育て・教育スタイルが広がっています。子どもたちはどのように育っていくのか。実態を取材した5回連載の3回目です。
- 【連載初回】森のようちえんで躍動する「虫博士」 野山を駆けて得られる学びとは
月に1度の特別な場所
英麗奈ちゃんは、花集めが大…