2024年9月24日、米ロサンゼルスでガザとレバノンでの戦争に抗議する人たち=AP

連載「米イスラエル関係の深淵」(全3回の初回)

3 回目は、イスラエルに肩入れしすぎることで、米国が国際的な信用を失っていると警鐘を鳴らす告発に耳を傾ける。

 イスラエルに対するバイデン米政権の政策に内部から異を唱え、米政府職員が抗議の辞職に踏み切る例がこの1年、相次いでいる。

 国防総省で働いていたハリソン・マン氏は、3月に職を辞した。国防情報局(DIA)という省内の情報機関で補佐官を務め、中東アフリカの情報分析を担っていた。

 パレスチナ自治区ガザで大規模に民間人が殺傷された時、原因を調べるのが仕事の一つだった。巻き添え被害は避けられなかったのか、攻撃先には本当にイスラム組織ハマスの戦闘員がいたのか――。イスラエルの攻撃の正当性を検証する上で決定的に重要なこうした事実について、「調べるよう我々に指示が出たことは一度しかなかった」という。マン氏は取材に「指示がないということは、上層部の誰も関心がないということだったのだろう。絶望的な気持ちにさせられた」と語った。

 米国は国際的秩序や民主主義…

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