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20日、ロシアによる攻撃が続くなか、ウクライナ・ハルキウ州の前線に近い陣地で休憩するウクライナ兵=ロイター
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ロス・ドゥサット

 未来の歴史家が米国の外交政策の軌跡を研究する時、アフガニスタンからの急な撤退、ロシアのウクライナ侵攻、ガザ、レバノン、イランでのイスラエルの紛争といった2020年以降の主要な出来事を、一つの世界の紛争の物語としてまとめるのかもしれない。

 運がよければ、「帝国の試練:米国と世界、2021―2030」のような題の学術論文が生まれるだろう。不運な場合、つまり米国と中国が最終的に破滅的な戦争に突入するとすれば、ウクライナや中東での闘争は、第3次世界大戦の歴史として、さかのぼって位置づけられることになる。

 私たちはまだ、そのような戦争の中にいるわけではない。だが、グローバルな観点から自分たちの状況を考えることは米国人にとって有益だ。ロシア、イラン、中国が修正主義的な同盟として、我々の帝国的な力を試していると考えるべきだ。そして、この種の紛争は耐久力の試験であり、長く曲がりくねった道であり、雰囲気の変化に左右されやすく、結果を早まって判断してしまう可能性があることを認識することも重要だ。

「薄く広がりすぎた」米国の力

 過去数年間、我々は多くの変…

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