アフリカ北東部スーダンでは、昨年4月から国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)による戦闘が続く。独立以降、暴力を繰り返してきた国はいま、中東諸国の「代理戦争」の舞台にもなり、住民の分断も深まっている。

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 「なぜ、世界からスーダンは取り残されてしまったのか」

 港町ポートスーダンの避難民キャンプに、6人の家族と身を寄せるアリ・イブラヒムさん(65)は、そう嘆いた。

 一家は5月、RSFの攻撃が続く南部の都市から、国軍側が支配するポートスーダンへと避難してきた。少年兵たちに「家も車も渡さなければ娘を連れて行く」と脅され、避難を決めた。

かつてはダルフールの民兵組織だったRSF。なぜ、国軍に匹敵する力を持つようになったのか。

立ち上がる民衆、向けられた銃口

 軍事衝突は何度も経験したが…

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