壁に貼られたコの字形の厚紙やペットボトルが「道」となり、その上をボールがころころ転がり落ちていく。「そこにいてね!」。ティアゴくん(4)がスタッフに声をかける。飛び出したボールがスタッフの方へ転がるよう、何度も厚紙の角度を調節しながら、ボールを転がしていた。
ニューロダイバーシティ・スクール・イン・東京(NSIT、東京都港区)の中で唯一、発達特性を指摘されていない。メキシコ系で、スペイン語と日本語のバイリンガル。こども園では日本人の友達に自分の思いを上手に伝えられず、けんかになってしまうこともしばしばだった。
両親によると、ルールを守ることが好きな兄(6)と違い、少し我の強い性格もトラブルにつながっていたという。父親(46)は「日本語の速いおしゃべりについていけず、つい手が出てしまったり、集団で何かをするときも気が散ったりしてしまうようだった。日本の一般的な教育課程になじめるか、不安があった」と振り返る。
学び方を学ぶこと「生きる力につながる」
もっとなじめる場所はないか…