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高木金型製作の高木雅英前社長(左)と、長男の英樹社長

サプライヤーの生きる道

自動車業界は、部品や材料を手がける「サプライヤー」抜きには成り立ちません。しかし、変革期の業界にあって、営みを次世代につなぐのは簡単ではありません。新たな道を探る経営者らの姿を4回連載で追いかけます。

 会社のかじ取りを次の代につなぐのは、経営者の最も大きな仕事のひとつ。それは、相手が親兄弟であっても。

 「この仕事をやるつもりは全然なかった。親と一緒に仕事をするって面倒くさいでしょ。従業員やお客さんからも『2世』って気を使われるから、嫌だった。違う世界で生きていこうと思っていた」

 プラスチック金型の設計や製作を手掛ける高木金型製作(愛知県安城市)の高木英樹社長(37)は昨年11月、父親から経営を引き継いだ。トヨタ自動車の3次請け。従業員10人の小世帯だ。

 大学卒業後の2009年、愛知県内にある自動車部品設計会社に就職した。

 転機は突然やってきた。

 入社4カ月後の7月、母・美…

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