欧州連合(EU)加盟を目指す旧ソ連のモルドバとジョージアでロシアの影が急速に色濃くなっています。飛び交う偽情報やウクライナ侵攻の影響を受けるなか、「ロシア支配」からの脱出への苦闘が続いています。
ジョージアでは、「ロシア法」と呼ばれる法律をめぐる対立が激しくなっています。政府・与党と親欧米派のキーパーソンに話を聞きました。(トビリシ=中川仁樹)
トランスペアレンシー・インターナショナル現地代表 エカ・ギガウリ氏
――与党はNGOの透明性向上が規制法の目的と主張しています。
「もちろんウソだ。すでにNGOを規制する約10の法律があり、透明性も求められている。目的は、政府に批判的なNGOやメディアに、欧米などの外国政府のために行動し、国益を損なう『スパイ』の汚名を着せることだ。ロシアと共通点があるから『ロシアの法律』と呼んでいる」
「特別な意味もある。ソ連の占領時代、ジョージアの多くの知識人や家族が、ドイツや英国政府のために働いているという偽りの理由で殺された。これは尊厳の問題だ」
■「性的指向などスタッフの個…