2021年12月、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で宇宙に旅立ち、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した実業家の前沢友作さん(49)。宇宙旅行をともにしたソユーズを保管している都内某所で、宇宙の魅力、宇宙飛行で感じたこと、次なる挑戦への思いを聞いた。
連載「宇宙∞ムゲンダイ」
人が初めて月に降り立ってから半世紀、人類は再び月に向かおうとしています。宇宙開発やビジネスも加速し、宇宙への注目が高まっています。遠いようで近い宇宙。無限に広がる物語を紹介します。
――いつから宇宙に行きたかったのですか?
小学校4、5年生くらいの頃かな。ハレー彗星(すいせい)がやってくるということで、双眼鏡を片手に空を見上げたんです。尻尾のある星なんて見たことがなかったし、目の前に広がる壮大なスケールの夜空は「未知の世界」のようで、少年ながらに憧れました。あれが宇宙との出会いでしたね。
でも、宇宙に行けるなんて全く想像もしていませんでした。アメリカの会社から宇宙旅行の誘いを受けて、そのとき久しぶりに少年時代のことを思い出しました。「あんな夜空に行けるんだ」と思ったら、行かない手はないと。まだ行ったことのないところに行ってみたかったですしね。
――ISSでの滞在に向け、ロシアで訓練を受けたそうですね。何が一番つらかったですか。
「回転椅子」だけはもう二度…