「この人、日本語うまいなって思った人はこの部屋に何人いるでしょうか」。東京地裁の法廷で、原告の星恵土(せいえど)ゼインさん(27)はそう切りだした。「それこそが偏見の始まりで、様々な差別を生んでいるのかもしれません」
いきなり警察官に囲まれ
8歳で家族とパキスタンから日本に移り住んだ。日本国籍も取った。高校の友人に「君が外国生まれだったことを忘れてた」と言われたことを思い出すと、いまでもうれしくなる。
だが、いまだ日本社会の一員ではないように感じることもある。公衆の面前で、いきなり警察官に囲まれ職務質問(職質)される屈辱は何度も味わった。顔立ちで狙われたとしか考えられない。
そうした捜査方法は「レイシ…