2004年にイラクで現地の武装勢力に拘束された過去を持つ今井紀明さん(39)は現在、大阪・ミナミの「グリ下」で居場所のない若者の支援を続けています。親や教師に否定される若者と、自分自身の「疎外感みたいなところが重なった」と言います。若者に必要な支援を聞きました。
――イラクで現地の武装勢力に拘束され、人質になりました。
海外の子供の不条理な状況を変えたくて、高校1年で医療支援のために渡航しました。人質から解放されて帰国したら、「死ね」、「非国民」と知らない人から手紙が届いたり、電話があったり。突然頭を殴られたこともあります。自分の中で、生きることに対する抵抗感が生まれ、「消えたい」「死にたい」という気持ちが大きくなり、対人恐怖症で2年ほど家に引きこもっていました。
その後、高校の先生や大学の友人のおかげで過去と向き合うことができて、25歳でもう一度スタートラインに戻れました。
――「グリ下」の若者を支援する認定NPO法人「D×P」を12年に立ち上げました。
大学卒業後、企業で働きなが…