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写真・図版
田原さん

 《谷川俊太郎さんの詩を中国語に翻訳し、紹介してきた。アンソロジーの編者もたびたび務めている》

 30年前、留学先の天理大学で学んでいたときに授業で谷川さんの詩に出会いました。授業の資料として「二十億光年の孤独」をはじめとした数編の詩をプリントしたものが配られたんです。私は来日して4年目で、日本語を勉強中でした。授業後に辞書を引きながら、詩を中国語に訳しつつ読んでみると、いままでに出会ったことのない斬新さを感じました。詩のために詩を書いていると思った。

 デビューから70年以上、読者を魅了し続けてきた詩人、谷川俊太郎さんについて、ともに作品を手がけたり、対談したりしてきた5人に聞くインタビューシリーズ。4回目は谷川さんの詩を中国語に翻訳してきた、詩人で翻訳家の田原(ティエン・ユアン)さんです。

 「なかなかいい詩ですね」と興奮して先生に言ったら「日本一の詩人ですよ」と。以来、作品を追いかけてきました。

 《1999年、谷川さんは初めて中国を訪問した》

 一緒に中国各地を巡り、現地の詩人と交流しました。どこへ行っても熱烈な歓迎を受けていました。

 谷川さんは、賞の力ではなく…

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