性行為の際の「同意」をめぐって、裁判で判断がわかれるケースがあります。「性と生殖に関する健康と権利」について発信する「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さんは、日本社会が共有する「性交観」に問題があると指摘します。
【連載】「嫌だ」がどうして届かない ~性的同意と司法の今
「性的同意」をめぐる司法の判断が揺れ続けています。背景にある考えや法制度の課題、社会に浸透する性交観などについて、識者らに聞きました。
「#なんでないのプロジェクト」代表 福田和子さん
スウェーデン留学中、交際していた男性と性行為をしようとした時、彼が「いま楽しんでる?」と聞いてきたことがありました。
嫌ではなかったけど、「うーん」と考えるしぐさをしたら、「あ、じゃあ、やめるね」と彼は中断しました。「お互いがハッピーになるためにすることだから」って。
「嫌?」ではなく「楽しい?」という問いかけだったことが良いなと思いました。なぜなら、その時、嫌ではなかった、でも私は楽しんではいなかったから。
そのまましていたら、早く終わったらいいのに、そう思っていたかもしれません。
性交や性行為とは、表情やしぐさ、言葉でお互いが楽しんでいるかを確認しながらするものなんだと感じました。
日本にいる時は、男性は性行為を始めたら途中ではやめられない、そう思い込んでいました。
なぜ私はそう思い込んでいた…