Smiley face
日弁連会長の渕上玲子さん=恵原弘太郎撮影
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 日本初の女性弁護士の奮闘を描くNHKの朝ドラ「虎に翼」。その放送が始まったのと同じ日、日本弁護士連合会(日弁連)に初めての女性会長が誕生した。渕上玲子さん(69)。今なお「女のくせに」がついて回る社会で、どんな「景色」を描こうとしているのか。

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 ――日弁連発足75年にして、会長選挙に女性が立候補するのは初めてでした。

 会長選挙では、全国52の弁護士会の理解を得るために各地を回ります。その中で昨年6月、大阪の女性弁護士40人ほどが意見交換会を開いてくれました。その一人、女性の先輩に言われたんです。「あなたが会長になることは景色が変わることだ」と。驚きました。

 これまで日弁連の副会長や事務総長を経験し、会長の仕事は幅広くて大変だと知っていました。トップを支える役割の方が性に合っている、と思って生きてきたんですよね。

 私が会長になることはどんな意味を持つのか、深く考えていませんでした。「景色が変わるのか。いや、変えなければ」と奮い立ちましたね。どんな性別の弁護士でも大いに活躍できるようにしたい。私が会長の2年間は、そのための活動を中心に置こうと決めました。

 ――2017年から1年間、東京弁護士会長を務められました。1893年の創立以来、初めての女性会長でした。

 長い歴史の中で女性の会長が出ていない、出さなければいけないという雰囲気があったんです。それまでの活動を評価されて第一号に推薦されたと思っています。

 「私は失敗できない」。東京弁護士会の会長をめざして様々な方との意見交換会に出ていたとき、そう周りに言いました。

 私の後も次々と女性会長が続かなければいけない。私が失敗したら後輩が萎縮して、女性のなり手がいなくなってしまう。そんな思いからです。

 ――日弁連会長として取り組みたい課題の一番目に「家庭裁判所の人的・物的な拡充」を挙げていますね。

 これまで、家裁の拡充を一番…

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