眼下に日本海を望む高台の上。手作りのすべり台やベンチと共に、ドラム缶や古タイヤが転がる空き地のような庭で、年中児の小池慈永結(ジェームス)エゼオコイエくん(5)はかまどを見つめていた。「やっぱ杉っ葉は最強だよ」。マッチを擦って火をつけると、そうつぶやいた。
新潟県長岡市の認可外保育施設「海辺のこども園かいじゃり」は、保育士夫婦が運営する小規模施設だ。園児は1~5歳の7人で、夫婦の家がそのまま園舎になっている。広い庭にはかまどの他、畑や鶏小屋、手作りのブランコ、作り途中のレンガのかまどなどもある。
森のようちえんへようこそ
自然とふれあい、自然の中で過ごす時間を大切にしながら幼少期の子どもたちを育む。そんな「森のようちえん」と呼ばれる子育て・教育スタイルが広がっています。子どもたちはどのように育っていくのか。実態を取材した5回連載の4回目です。
- 【連載初回】森のようちえんで躍動する「虫博士」 野山を駆けて得られる学びとは
ジェームスくんは火への興味が強い。「小さい枝から入れて太いのは後ね」「木はバツにして入れるといいよ。隙間があると風が通るんだ」。9月上旬に訪れると火おこしのコツを教えてくれた。うちわであおぐと、瞬く間に大きな炎に。この火を使って昼食用のお米を炊き、おやつで飲むしそジュース用に赤紫蘇を煮出した。
1歳児もかまどで学ぶ
2歳でかいじゃりに入園した…