ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、旧東ドイツ地域以外へも移民排斥などの運動を広げている。
昨年12月、スイス国境に近い南西部バーデン・ビュルテンベルク州ザーレムの空き家となった店舗前に、緊迫した空気が満ちていた。難民の一時収容施設として使われる予定の建物で、反対するAfDのメンバーら25人が集会を開き、その周囲を、難民を支援する市民ら約160人が取り囲んでいた。
「(難民らに)経済的、社会的、文化的に搾取されることは許されない」。AfDメンバーが訴えると、「ナチスは失せろ」といった声が上がった。
【連載】揺らぐ国是 ドイツ右翼の台頭(全5回、初回はこちらから)
ナチスの過去から過激な右翼主義を警戒してきたドイツで、極右とも呼ばれる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を広げています。「反ナチス」の国是を揺るがしかねない右翼台頭の背景を探ります。
自治体から「もう限界」の悲鳴も
AfDが集会で矛先を向けた…