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 ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、旧東ドイツ地域以外へも移民排斥などの運動を広げている。

 昨年12月、スイス国境に近い南西部バーデン・ビュルテンベルク州ザーレムの空き家となった店舗前に、緊迫した空気が満ちていた。難民の一時収容施設として使われる予定の建物で、反対するAfDのメンバーら25人が集会を開き、その周囲を、難民を支援する市民ら約160人が取り囲んでいた。

写真・図版
難民の一時収容施設の運用開始に反対するデモを行う、ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のメンバーら。不法移民らを出身国などに送り返すことを意味する「再移民」と書かれた横断幕を掲げていた=2023年12月9日、独南部ザーレム、寺西和男撮影

 「(難民らに)経済的、社会的、文化的に搾取されることは許されない」。AfDメンバーが訴えると、「ナチスは失せろ」といった声が上がった。

【連載】揺らぐ国是 ドイツ右翼の台頭(全5回、初回はこちらから)

ナチスの過去から過激な右翼主義を警戒してきたドイツで、極右とも呼ばれる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を広げています。「反ナチス」の国是を揺るがしかねない右翼台頭の背景を探ります。

自治体から「もう限界」の悲鳴も

 AfDが集会で矛先を向けた…

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