黄色く染まった山盛りご飯が目の前に運ばれてきた。日本の米より粒が長く、クミンやコリアンダーなどのスパイスと一緒にパラパラに炒められている。ほおばると、じんわりとした心地よい辛さが舌に広がった。アフガニスタンなどの南アジア地域で食べられている料理「ビリヤニ」だ。
東京から電車とバスを乗り継いで1時間余りの千葉県四街道市。ドラッグストアや大型の量販店が並ぶ県道沿いを歩くと、イスラム教徒が髪を覆う布「ヒジャブ」をかぶった女性と時折すれ違う。ここには約1200人のアフガニスタン人が暮らし、市内の外国人全体の3割を占める。
1月、冒頭のビリヤニを出してくれたアジア料理レストラン「アリアン」を訪れた。在日イラン人の男性が経営し、インドやネパールなどの料理も出すほか、イスラム教徒が食べられる肉類などのハラル食材店を併設している。ハラルとはイスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語だ。
古くから「文明の十字路」と呼ばれ、内戦や大国に侵攻された歴史をもつアフガニスタン。記事後半では、アフガニスタンの人々が四街道市にやってきた経緯や、日本にどのような思いを抱いているのかについて紹介します。
「日本に来るのが夢だった」
食材店には夕方以降、仕事を…