防具をつけ、試合数が多いフェンシングは、年間を通して熱中症のリスクがある(2020年の全日本選手権から。記事とは関係ありません)

 熱中症のリスクは、冷房が利いている屋内競技にも潜む。

 東京都理学療法士協会はフェンシングにおける熱中症の状況を調査してきた。

 その内容が5月26日、小児科医や研究者、弁護士らが、子どもたちの体育・スポーツ活動での事故の予防策を提言するシンポジウム「これで防げる! 学校体育・スポーツ事故」で発表された。

 発表したのは、同協会スポーツ局の一員で、東京脊椎(せきつい)クリニック(東京都北区)で勤務する渡辺祐介さん。同協会は2016年から、東京都フェンシング協会の委託を受け、大会でけがをした時の対応や医療的なサポートをする理学療法士を、年間に約60日ずつ派遣してきた。

 当初、フェンシング協会には「とにかく足をつる選手が多いので、対応をよろしくお願いしたい」と請われていた。

 サポートを始めると、確かに足のけいれんを起こす選手が他競技に比べて明らかに多かった。準決勝、決勝と、試合が終盤を迎えると増えていく。

 「これは熱中症の症状としての熱けいれんではないか」

 大会に派遣された理学療法士…

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