「一面グレースーツの世界だった」
2007年4月、北九州市長に就いたばかりの北橋健治さん(71)は、年度初めの幹部会で、男性職員の多さにがくぜんとした。
「市民は男女半々。男性だけで市の重要方針を決めることが市民生活を豊かにするとは思えなかった。優秀な女性職員は多くいるのに」
若手の女性が昇任試験を積極的に受けるよう、局長らに後押しを指示した。市長室に施策について説明に来る際には、課長や係長らも同席させるようにし、どんな幹部候補がどこにいるかを自ら確認した。
「女性、女性ってなんだよ」
「仕事ができるかで選ぶべきだ」
そんな声が、男性からだけでなく、女性からも聞こえてきた。
「でもきっと、時代が追いつくと思っていた」
通常3~4年ごとの異動を2年に短縮
そんな中、北九州市が女性が…