1960年代の米国で使われ始めたとされる政治手法を指す「犬笛」という言葉が、兵庫県知事選があった昨年11月以降、X(旧ツイッター)上の投稿で多用されている。今年に入って増加が顕著で、県知事や政治団体代表、死亡した前県議らと関連づけた投稿が目立つ。犬笛は「分かる人には分かる言い回し」を使い、政治家が特定の層に暗にメッセージを届ける手法とされるが、専門家は「最近は使われ方が大きく変わった」と指摘する。

 犬笛(dog whistle)は、人間には聞こえない周波数を出す犬の訓練用のホイッスルになぞらえた言葉。米国では人種やジェンダーといった差別意識を、露骨ではなく隠語などを用いてあおるもので、好ましくない政治戦術と評価されてきた。

 その「犬笛」という言葉が…

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