株式市場で実態をともなわない数字や施策を打ち上げ、投資マネーを吸い上げた事案が相次ぎ発覚しました。市場の課題や教訓はどこにあるのか。コーポレートガバナンスに詳しく、金融庁などの有識者会議の委員を歴任してきた清原健弁護士に聞きました。
――オルツの第三者委員会の報告書をどのように読みましたか。
「循環取引の手口がどのようなものかは明らかになった。ただ、売り上げの最大9割が架空だった企業がなぜ上場したのか。問題の原因分析がまだ足りない」
上場準備中の監査人交代は異例
――原因はどこにあると考えますか。
「ポイントは監査上の対応だ…