メキシコ大統領選の候補者討論会で、シェインバウム氏の順番になり、歓声を上げる支持者たち=2024年5月19日午後、メキシコ市、軽部理人撮影

 まるで、スポーツ観戦をしているような錯覚を覚えた。

 5月中旬、メキシコの首都メキシコ市。大統領選を2週間後に控えた中で開かれた候補者討論会のことだ。

 会場の外の一角には、のちに当選した前メキシコ市長のクラウディア・シェインバウム氏の支持者が集結。会場を挟んで反対側のエリアには、ソチル・ガルベス上院議員の支持者がいた。

 シェインバウム氏のエリアを訪れた。討論会開始は午後8時だが、2時間前の時点で1千人ほどが巨大なスクリーンの前に陣取っていた。

 前方に並んでいたガルシア・ゲレーロさん(42)は、5時間前に来た。「クラウディアの雄姿が見られると思うと、興奮が隠せないんだ。サッカーの試合でも、こんなに早くから会場入りすることはない」と笑う。

【連載初回はこちら】フランスの選挙、論戦はマルシェで 勝利の鍵はやっぱり「どぶ板」?

総選挙が始まり、あちこちでポスターや選挙カー、街頭演説を見かけます。今年は世界各地で大型選挙がある「選挙イヤー」ですが、海外の実態は? 特派員が感じた日本との違いは? 前回に続き、世界から報告します。

 討論会が始まった。シェイン…

共有
Exit mobile version