まるで、スポーツ観戦をしているような錯覚を覚えた。
5月中旬、メキシコの首都メキシコ市。大統領選を2週間後に控えた中で開かれた候補者討論会のことだ。
会場の外の一角には、のちに当選した前メキシコ市長のクラウディア・シェインバウム氏の支持者が集結。会場を挟んで反対側のエリアには、ソチル・ガルベス上院議員の支持者がいた。
シェインバウム氏のエリアを訪れた。討論会開始は午後8時だが、2時間前の時点で1千人ほどが巨大なスクリーンの前に陣取っていた。
前方に並んでいたガルシア・ゲレーロさん(42)は、5時間前に来た。「クラウディアの雄姿が見られると思うと、興奮が隠せないんだ。サッカーの試合でも、こんなに早くから会場入りすることはない」と笑う。
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総選挙が始まり、あちこちでポスターや選挙カー、街頭演説を見かけます。今年は世界各地で大型選挙がある「選挙イヤー」ですが、海外の実態は? 特派員が感じた日本との違いは? 前回に続き、世界から報告します。
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