ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の集会を取材すると、ある右翼政治家の名前がよく挙がることに気づく。欧州連合(EU)加盟国で最も長い連続14年もの間、政権の座にあるハンガリーのオルバン首相だ。
「オルバン氏は正しい行動をしている」。AfDが初めて第1党になったチューリンゲン州議会選でもビョルン・ヘッケ州支部共同代表(52)が集会で何度も称賛した。アリス・ワイデル共同代表(45)も6月のインタビューで、「(オルバン氏は)よい仕事をしている」と語った。
欧州の右翼やEU懐疑派の政党にはオルバン氏の手法を評価する声が少なくなく、目指すべき一つの「モデル」のようになっている。
【連載】揺らぐ国是 ドイツ右翼の台頭(初回はこちらから)
ナチスの過去から過激な右翼主義を警戒してきたドイツで、極右とも呼ばれる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を広げています。「反ナチス」の国是を揺るがしかねない右翼台頭の背景を探ります。
オルバン首相の強権姿勢に警戒も
6月初め、ハンガリーの首都…