上智大・中野晃一教授=2024年3月、東京都千代田区紀尾井町、目黒隆行撮影

 セキュリティークリアランス(適性評価)制度の導入を目指す今回の法案を巡って最も懸念が強いのは、身辺調査によるプライバシー侵害が起きかねない問題です。中野晃一・上智大教授(政治学)は、日米の安全保障政策を一体化させる動きだと指摘し、政府の対応を批判しています。

  • 【そもそも解説】セキュリティークリアランスなぜ導入?調査の対象は

 ――経済安保分野に関する情報を守るため、適性評価制度を導入しようという政府の動きをどう見ますか。

 「セキュリティークリアランス」という聞き慣れないカタカナで分かりにくくなっていますが、要は特定秘密保護法を拡大適用するのが実態です。特定秘密保護法では、保全情報を取り扱う適性評価の対象がほとんど公務員でしたが、今回の法案では民間企業の従業員や研究機関の職員が処罰される可能性が高まります。これは深刻な問題です。

 ――法整備を急ぐ政府の意思…

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