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校長として勤務していた小学校2校で「イクボス宣言」を出し、働き方改革を進めた吉川文章さん=2025年6月12日、東京都練馬区向山2丁目、本間ほのみ撮影
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 子育てとの両立に悩む教員がいる一方で、校長ら管理職や教育委員会の職員も悩んでいる。

 「内心は困る」。東京都内の公立中学校長の男性(53)は、教員の育児休業などで欠員が生じる事態をこう話す。休む職員の仕事をどう差配するかは管理職の責任。だが、休みを快諾するのには「覚悟がいる」。

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 区の教育委員会に勤務していた2年前、ある小学校で、同じ時期に5人の教員が育休の取得を希望した。相談を受けた男性は、代理の講師を探したが、5人分を埋めることはできなかった。結局、時期がかぶらないよう順番に育休を取ることになった。男性は「余っている先生なんていない。誰かが欠けると回らない状況だ」。

 校長となったいまは、他校の臨時教員らの情報を仕入れ、任期が切れる前に水面下で声をかける。今年も冬ごろに産休に入る教員がいるため、代理の教員を探しているが、すでに1人には断られた。「見つけるのに数カ月はかかる。まだ先だけど、今から探さないと」

 男性は「人材を増やして『誰…

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