国際通信の99%が経由する重要インフラでありながら、切断や盗聴など国家の安全を脅かすリスクもある海底ケーブル。それをいかに守っていくか。元経済安保担当相の小林鷹之氏に、今後政府がとっていくべき方策を聞いた。
――海底ケーブルをめぐる情勢をどうみていますか。
「まず、そもそも情報通信というものが全ての産業の基盤にあるという認識でいます。私はエネルギーと情報通信が基盤になる産業だと思っている。情報通信の通信量が過去10年間で15倍ぐらいになっている。その99%を海底ケーブルが担っている。当然、海底ケーブルを国として守っていくということは経済安全保障上、極めて重要です」
――守っていくために、どんな検討をしてきましたか。
「2020年の年末から2021年の頭にかけてリスク点検をやろうということを私が言い出しました。エネルギー、情報通信、金融、運輸・交通、医療という五つの産業を戦略基盤産業と位置づけて、この五つの産業の色んなリスクを考える。そのインパクトがどれぐらいあって、リスクが顕在化しないようにするために、あるいは顕在化した時にどういうことが必要で、その政策の優先順位をどうやってつけるかっていうのを洗い出しました」
「情報通信産業についてのリ…