わたしの敵はわたし? 自己肯定感と向き合う⑤
なぜ人によって自己肯定感が低くなるのでしょう。そして、その結果として生じがちな生きづらさとは、どう向き合っていけばいいのでしょう。「人生がうまくいく人の自己肯定感」の著書もある禅僧で精神科医の川野泰周さんは、「自己肯定感は自分の心を支える根源的な力」と言います。話を聞きました。
――仕事や人間関係、育児、恋愛、学業……。著書では、すべての鍵を自己肯定感が握ると論じています。
よく使われる「自己肯定感」という言葉の概念は、非常に多義的です。私は「自らを慈しむ心」と、他人と比べて自分は価値があると考える「自尊心」の二つで、自己肯定感は構成されると考えています。
心のバランスを崩しやすいのは、「他者からの評価をもとに、凝り固まったプライドで自己肯定感を築いている人」です。
こういう方は一見、自己肯定感が高そうにみえます。しかし世間からの評価や他人の言動に振り回されているので、もろいのです。
ある日突然、訪れる体の不調
仕事や人間関係などは、「人…