2025年2月11日、中国海軍のフリゲート艦「衡陽」=豪州国防省ウェブサイトから

 中国が急速に軍備増強を進めています。海軍の艦船の数では米軍を上回り、その差はさらに広がるのは確実です。「台湾有事の脅威が2027年までに顕在化する可能性がある」。21年の米上院公聴会でこう述べた米国のフィリップ・デービッドソン元インド太平洋軍司令官が朝日新聞の取材に応じ、現状や今後について語りました。

  • 【連載初回】豪州「裏庭」でまさかの実弾演習 遠洋航行誇る中国軍がもたらす懸念

 ――現在のアジア太平洋地域の状況を率直にどう見ていますか。

 この地域における日本、米国の安全保障環境は、旧ソ連との冷戦が終結して以降、この35年間で最も深刻です。2年前に台湾を訪れたとき、彼らは近代史のなかで経験したことのないほど厳しい状況だと語っていました。中国は長期的な目標として、70年以上にわたって国際社会をリードしてきた米国や日本などに取って代わり、中国共産党が国際的な指導力を発揮することを目指しています。日米にとって非常に困難な時代であり、最も深刻な脅威といえるでしょう。

「日米などの抑止力が浸食されている」

 ――具体的に中国の何が脅威でしょうか。

 特にこの(習近平(シーチン…

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