今回は子どもの睡眠不足、対応編を解説していきましょう。
昼寝の影響
生後しばらくは昼夜の区別なく寝たり起きたりを繰り返してしまい、大変個人差がありますが、生後3カ月頃から、夜に寝る時間のほうが長くなります。そしてだんだんとまとまって睡眠をとるようになり、1歳を過ぎるころには1日1回昼寝をするようになります。
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様々なジャンルの「プロ書き手」によるニュースレターが配信される外部媒体「theLetter」で2023年4月5日に配信された記事です。
米国の調査では、3歳では40%が昼寝をしなくなり、6歳ではほとんどの子どもが昼寝をしなくなるという結果が出ています(#1)。これは大脳も休んでいるノンレム睡眠と、大脳が活発に動いているレム睡眠との比率が成長するにつれて変化していくためです。つまり、生まれた直後はまだ活動性が低いですが、生後1カ月になるとレム睡眠の割合が比較的高くなります。それ以降、成長するに従って、ノンレム睡眠の割合が高くなっていくのです。
ここで大切なのは、これらの年齢の数字は一概に区切れないということです。体の成長や発達と同じように睡眠も個人差が非常に大きいのです。隣の子どもは夜泣きしないと聞いたのに、なんでうちの子はこんなに夜泣きするのだろうと不思議に思われることもありますが、それはこのためです。
しかし、どの子にも共通として言えるエビデンスとしては、「昼寝の取り方によっては睡眠不足になってしまう」ということです。昼寝を終わらせる時間が遅いこと、昼寝の時間が長いこと場合などでは就寝時間が遅いことがわかっています(#1)。
寝室環境と睡眠ルーティン
昼寝の取り方には十分注意したいですね。
同じ大人でもないがしろにすることもありますが、寝室環境は結構大切です。寝る前に遊ぶものを片付けて部屋を暗くするのは、理想の寝室環境づくりと言えます。就寝する際に部屋の電気がついているとそれだけで睡眠時間が短くなることがわかっています(#2)。
もし暗闇を怖がるのであれば、うっすら照明をつけるような間接照明をつけるのが良いと思います。
環境づくりは何も「明るさ」…