日本人がめったに訪れることのないアフリカ北東部の「未承認国家」ソマリランドは、どんな場所で、どんな人たちが暮らしているのか。「謎の独立国家ソマリランド」の著者の高野秀行さんと、今泉奏・ヨハネスブルク支局長が、それぞれの視点から語った。
- 【連載】愛と思惑のソマリランド
「爆速」のソマリランド人、でも実は・・・・・・
今泉 高野さんのこれまでのソマリランドへの渡航歴を教えてください。
高野 2009年にまず、ソマリランドに行きました。11年にソマリランドと(もう一つの自治政府)プントランド、南部ソマリアをまわり、それから16年までほぼ毎年行きました。年に2回行ったこともありました。
最初に行くまで、ソマリ人には1回しか会ったことがありませんでした。飛行機でたまたま隣に座った人で、(ソマリアの首都)モガディシオから来たと。1990年代のときの話です。「危険なんでしょう」と聞いたら「いや、大丈夫」って。「護衛をつけているから」ってね。どれだけ危険なんだよって思いましたね。
ソマリランドの民主主義は、どのように変化してきたのでしょうか。記事の後半では、日本とアフリカをつないだ対談動画もあります。
今泉 今回、私もソマリランドを訪れて、高野さんが著書で書かれていたようにソマリランドの人のちゃきちゃきと「爆速」で物事が決まっていくのを感じました。
高野 速くて激しい。最初は…