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高層ビルが林立する東京都内の湾岸エリア。マンションの販売価格や賃料が高騰している=2025年2月1日、東京都中央区

 東京都板橋区にある分譲マンション「板橋仲宿パーク・ホームズ」で管理組合の理事長を務める小松茂実さん(71)は、修繕積立金の見直しで頭を悩ませている。築25年で全108戸。今年、コンサル会社に試算を頼んだところ、大規模修繕工事に備えた積立金が将来足りなくなるとの結果がでた。「資材価格や人件費の高騰」が背景だという。

 「また値上げをしないといけないのか。見通しが甘かった」と小松さんはこぼす。実は2年前に、次世代に負債を残さないとの思いから今後40年間の収支計画を黒字化させるため、積立金を月平均1万円から2万円に値上げしたばかり。それなのに、今から5年後にはさらに5千円ほど値上げが必要だという。来年に予定する大規模修繕工事も、2年前の時点では見積額が足場の設置費用を除いて1億円程度だったが、今年の試算では1.5倍にまで膨れあがった。

 しかも、管理会社からは、来年6月から管理費を1割以上値上げすると伝えられた。区分所有者の平均年齢も60歳を超え、年金生活者も多い。小松さんは「食品や光熱費も上がって家計は厳しいのに、住まいの物価高も深刻だ」と話す。

連載「ニッポンの現在地 2025参院選」

法律や予算によって様々な政策の方向性を決める政治。私たちの生活と直接、間接につながっています。「対トランプ」「物価高対策」など八つのテーマについて現在地と課題をお伝えする連載です。

相次ぐ家主からの「家賃値上げ」依頼

 板橋区住宅政策課によると…

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