• 連載「原爆の絵ができるまで」初回はこちら

 大阪府枚方市。地域のまつり会場で開かれた「高校生が描いた原爆の絵」展に、一枚の絵が展示されていた。持ち主は被爆者の森容香(ようこ)さん(85)。この日、広島市立基町高校卒業生の武原明歩さん(21)と初めて会う約束をしていた。

 あいさつを短く交わすと、森さんはすぐに来場者に武原さんと絵を紹介した。「この方はね、この絵を描いて下さったのよ。ほら、この絵の女の子、5歳の頃の私なのよ」

【動画】絵を描いてから4年後、初めての再会=佐藤慈子撮影

 竹やぶの中を姉妹が手をつないで裸足で逃げる場面。実はこの絵は最初は別の人が描き、4年前に武原さんに描き直してもらったものになる。

 もともとは森さんの姉、堀本…

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