外務省が公開した、1994年1月の同省「反省会」の記録=同省、小林正明撮影

 貿易自由化を進めるガット(関税貿易一般協定)による多国間交渉ウルグアイ・ラウンド(UR)は、日本の経済外交に教訓をもたらした。外務省での「反省会」の記録が、同省が26日に公開した外交記録の中にあった。

 外務省の「経済局内反省会」は、7年に及んだURが93年12月に妥結した翌月に局長室で開かれた。「極秘 無期限」の議事録によると、小倉和夫局長を筆頭に8人が出席。「日本が果たした役割は経済力に比してゼロに近かったのでは」「交渉体制が効果的だったか」といった厳しい意見が出た。

 農産品や鉱工業産品など多分野にわたる交渉で、所管省庁ごとの縦割りをなくすことがいかに大切かを説く人もいた。農林水産省に日米間のコメ交渉を任せ、最終盤で限定的な輸入に応じたことについて、小倉氏は「方針が臆病ではなかったか」と指摘した。経済大国日本がコメ輸入に慎重で、貿易自由化の議論を引っ張れなかったという反省だ。

 一方、限定的とはいえコメ輸…

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