Smiley face
写真・図版
「売上税反対」のデモ行進の準備をするブティック経営者ら=1987年3月3日、東京・原宿

 数ある税のなかでも、消費税は「負担することに抵抗を感じる」税金として、真っ先に名前が挙がる。それだけ身近という面はあるが、なぜ嫌われやすいのだろうか。

 「日本の消費税が歩んできた『不幸な歴史』が背景にある」。埼玉大学の高端正幸教授(財政学)は、こう指摘する。

 日本は戦後、所得税を中心とした税制だった。急速に増えた「会社員」の負担感は重く、高度成長期に税収が増えると政府は所得税を減税することで還元した。高端教授は「日本は減税による還元の時期が長く、税の負担と、公共サービスの充実などの給付をセットで考える体験が欠けていた」と話す。

 大平正芳政権が1979年に…

共有