少子化が進むなか、大学など高等教育機関の今後のあり方について、中央教育審議会が答申をまとめた。議論を重ねた中教審の特別部会に参加した東京大大学院の両角亜希子教授にポイントを聞いた。

――答申のもっとも重要なメッセージは

 今後18歳人口が急速に減るなか、大学や学生定員も減らすべきだという議論が社会で根強い。答申でも、全部の大学が今の規模や形で生き残っていくことは不可能だと認めている。

 しかし、日本社会が維持・発展していくにも、複雑で難しい社会問題の解決を探っていく上でも、一人ひとりの知的水準を上げる必要がある。そのために大学の役割はきわめて大きい。教育や研究の質をさらに向上させる必要があるし、大学院の役割も重要だ。答申のタイトルに入った「知の総和の向上」には、こうした思いが込められている。

 今回は、質の向上、規模、アクセスという三つの論点に基づき議論された。中でも、私は質向上が最も重要だと考える。

――学生確保に苦しむ地方大学についての議論が注目された

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 近年の高等教育政策では、地…

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