イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで、長年イスラエルの占領政策を批判してきた、国際的に著名な人権活動家がいます。パレスチナ人の弁護士ラジ・スラーニさん。ガザで3万3千人以上が犠牲になった今回の戦闘は「ジェノサイド(集団殺害)」だと明言しています。どういうことなのでしょうか。
――この半年間、ガザでは何が起きたと考えていますか。
- イスラエル軍はなぜ「倫理」を語るのか 識者が喝破する占領との関係
パレスチナ人に対するジェノサイドです。女性や子どもたちがこれほどまでに殺害され、多くの住民が住んでいた場所を追われました。この瞬間もガザでは空爆が続いています。
強調しておきたいのは、このジェノサイドは昨年10月7日に始まったわけではないということです。物資や人の移動の自由をイスラエルが完全に制御でき、イスラエルが必要と思えばいつでも空爆ができる。時間をかけて作られた仕組みがあって、初めて可能になっているジェノサイドです。
ハマスが先に攻撃したから何なのか
――10月7日に攻撃を始めたのはイスラム組織ハマスでした。イスラエルはハマスの壊滅が目的で、一般市民は標的ではないと言っています。
ハマスが攻撃を始めたから何…