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夫婦関係のカウンセリングなどを行う松本尚子さん=2025年4月14日、横浜市、山本悠理撮影

 夫や妻に自分のイライラをぶつけてしまうと悩む人は少なくない。家庭裁判所の調査官を経て、2年前から「横浜ファミリーカウンセリングオフィス」で夫婦カウンセリングにあたる臨床心理士の松本尚子さんは、「火種が小さいうちに相談することが大事」と指摘する。夫婦間の不機嫌ハラスメント(フキハラ)を防ぐ方法について聞いた。

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 ――月にどれぐらい夫婦の相談を受けていますか。

 平均すると40~50件ですが、多いときは100件ぐらいにのぼることもあります。夫婦のことを相談する場所が少なく、「そもそも相談するものなのか」と迷われている方が多いことを実感します。

 ――男性と女性、どちら側からの相談が多いのでしょう。

 夫婦一緒に申し込まれる方が3~4割で、あとは女性が若干多いかなという印象です。一般的に男性の方が悩みを相談するハードルは高いと感じますが「友人には相談しにくい。むしろ第三者の方が相談しやすい」と来られる方もいらっしゃいます。

 ――いわゆる「フキハラ」に悩んでいる事例も珍しくないとか。

 ずっと無視されている、部屋に閉じこもって話をしないといった相談や、不機嫌を言葉にせず、態度や表情で表されるとか、話しかけてもつっけんどんでつらい、などという相談は少なくありません。

 いくつかのパターンがあると思います。一つは、自分の不機嫌を抱え込み、黙り込んでコミュニケーションをシャットアウトしてしまうパターンです。

 もう一つは、自分が何に不機嫌になっているのか、うまく整理できずに心の中がゴチャゴチャになってしまい、そのモヤモヤを当たり散らすパターンです。

 比較的、前者は男性に、後者は女性に多いパターンですが、それほど性差がはっきりしているわけではありません。

何が一番不満? 不機嫌を解消するには

 ――取材をしていても、自分…

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