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国際的な労働移動を研究する東海大学の万城目正雄教授

 「地方発の外国人政策が動き出した」。国際労働移動に詳しい東海大学の万城目(まんじょうめ)正雄教授は、朝日新聞が実施した自治体アンケートから、人口減少社会に直面した自治体の姿勢や役割の変化を読み取る。日本の総人口に占める外国人の割合が2050年ごろには1割になるという見方もあるなか、急激な変化にどう向き合えばいいのか。現状と課題を聞いた。

 ――朝日新聞が47都道府県と20政令指定都市を対象に行ったアンケート(24年10月)では、地方自治体が外国人材の獲得にかなり積極的な様子が明らかになりました。

 「海外の自治体や大学から人材を優先的に送ってもらう国際交流協定(MOU)を取り付ける自治体が増えています。アンケートによると、47都道府県では半数以上の24道府県が締結していました。コロナ禍が収まった23年以降は、大都市圏に入らない地方の自治体で急増しているのが特徴です」

 「MOUは連携・協力の枠組みです。MOUをきっかけに、お互い訪ねたこともなければ聞いたこともない日本と海外の自治体が知り合い、その後のジョブマッチング開催といった人材獲得に向けた具体的な動きにつながっています。国境を越えた労働市場のネットワーク化と言えます」

過去最高の人手不足感

 ――各自治体は外国人材を獲得するだけでなく、定着してもらおうと様々な支援策を打ち出しています。

 「アンケートから、多くの自…

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